競馬は動物虐待なのか?スキルヴィング事件について正しい知識を持って欲しい

日本ダービーの競走後、出走馬の1頭であるスキルヴィングが急性心不全で亡くなった事が話題なりました。

その中で元騎手の瀧川寿希也氏の発言が炎上しております。

 

言ってることは間違いじゃありません。

でも炎上目的で煽った言い方なので、炎上しています。

こう思う理由を、きちんと説明すればいいのですが、SNSはそういう性質のものではありません

炎上したモノ勝ちです。

 

競馬は動物虐待か?

競馬ファンの方々は、上記の質問に、どう回答するでしょうか?

正しく回答できないと、動物愛護関係やギャンブル依存症問題関係から攻撃を受けてしまいます。

世界的に競馬が衰退しているのは、コレが原因です。

JRAも他人事ではありません。

日本だとこの分野の活動が下火ですし、JRAの長年におけるマスコミ対策のお陰で話題にはならないですが、

「トレセンや外厩にあるウォーキングマシンには電流が流れてる」

なんて事を動物愛護関係者やギャンブル依存症問題関係者が知ったら、発狂するでしょう。

 

もう一度聞きます。

「競馬は動物虐待だからやめるべきだ」

という意見に、競馬ファンのあなたはどう反論しますか?

 

正しい回答は

 

「競馬は畜産業だから問題ない」

です。

競馬法における最初の条文で、競馬の存在意義を下記のように定義しています。

第一条 この法律は、馬の改良増殖その他畜産の振興に寄与するとともに、地方財政の改善を図るために行う競馬に関し規定するものとする。

「畜産業の振興」と「地方財政の改善」この2点が競馬を開催する意義です。

競走馬は経済動物であり、愛玩動物ではありません。

だから愛玩動物の基準で虐待を議論するのは不適切です。

 

ところが、競走馬を愛玩動物のように捉えている競馬ファンを数多く見かけます。

その方がSNSウケがいいので、ネットだとそれが主流なのかもしれません。

競馬の楽しみ方なんて自由なので、僕は別に構わないと思いますが、
「愛玩動物的な見方は競馬の本筋ではなく亜流」ということだけはご承知おき下さい。

つまり競走馬を愛玩動物的な見方をしてしまうと、「競馬は動物虐待なので辞めるべき」という結論に行き着いてしまいます。

それと、

サラブレットのどこが畜産なのか?

という意見もあるでしょうが、競馬の開催目的である「財源確保」に貢献している経済動物であるのは間違いありません。

そういった観点から、瀧川寿希也元騎手が言っている事は概ね正しいです。

愛玩動物的な見方をしている人の方が本来不適切となります。

ただ、僕らからすれば博打の駒であっても、関係者や出資者は悲しんでいるでしょう。

「スキルヴィングの関係者の方々、出資者の方々には心よりお悔やみ申し上げます」
と一言だけ述べて、余計なことを言わないのがTPO的に正しいです。

一方で、瀧川元騎手の炎上商法に乗っかって批判している人も、間違いである事に気が付いて下さい。

スルーが一番です。

 

言い方は悪いですが

競走馬は、競馬場で死ぬのも工場で死ぬのも大して変わりません。でも今回のダービーを勝ったタスティエーラの余生はノーザンファームが面倒を見るでしょう。

競走馬の視点で幸せを語るなら、この違いだけです。

動画でも語りましたが、

だからこそ
「自分の馬の分析」・「ライバル馬の分析」・「馬場状況の分析」
をせず、舐めた姿勢で参加している一部の騎手や調教師は競馬を冒涜しています

 

ダービーのタスティエーラは調教を見る限り状態が悪かったです。
レース途中で落鉄もしていました。
それでも勝てたのは、能力が足りている馬の中でまともに力を出し切ったのがタスティエーラだけだったからです。

スキルヴィングやドゥラエレーデはアクシデントがありました。
ファントムシーフは武豊騎手が珍しくミスを認める発言をしているように、道中のポジショニングをやらかしました。
ハーツコンチェルトは「後ろポツンより、まだ後ろ」という致命的なポジショニングで、道中引っかかるように上がってリカバリーはしたものの、末脚が鈍りました。
ベラジオオペラは前走の敗因をきちんと分析せず、安易に作戦を変えて脚を余しました。
ソールオリエンスは適切なポジショニングでしたが、進路を塞がれ行き場を失いました。

タスティエーラの勝率はおそらく5%も無かったはずですが、レーン騎手がベストを尽くした結果、優勝を手繰り寄せた形です。

果たして、「自分の馬の分析」・「ライバル馬の分析」・「馬場状況の分析」が出来ていた騎手(陣営)は何人居たでしょう。

僕は半分も居なかったように思います。

そういった意味で残念なダービーでした。