【ドバイワールドカップ】国の渡航中止勧告を無視して遠征する競馬関係者にペナルティを与えるのが不適切である理由

SNSでは参議院の質疑が物議を醸しています。

現在、戦争の影響で湾岸諸国への渡航は中止するよう外務省は勧告しているのですが、

それを無視してドバイワールドカップに参戦する陣営に対して、

ペナルティを与えるべきではないのか?

という国会での質疑が物議を醸しています。

この質疑に関して、石垣議員への競馬ファンの反発が大きいようです。

とは言え、競馬ファンの視点ではなく公平な視点で見ると、自衛官や公務員などが勧告を無視して危険地帯に行って、外務省や法務省に迷惑をかけたら大問題になるわけで、ドバイワールドカップへの参戦も問題視されるのは当然でしょう。

また石垣議員が言っているように、世界的な視野で見ると、馬の福祉という観点においても問題となります。

でも結論から言うと、責任の所在を勘違いしおり、農林水産省にも農林水産大臣にもペナルティを与える権限はありません。そのため、この質問自体が的外れで全く意味のないものなのですが、適切に解説している競馬有識者が見当たらないので、この記事にて解説します。

誰が悪いの?誰が責任取るの?

競馬施行規約第43条に書かれている内容が答えです。

「馬主は、馬を出走させようとするときは、施行規程で定めるところにより出馬投票をしなければならない」

実際のところは調教師が代理人として出馬投票するのですが、原理原則は馬主が行います。

ちなみに、騎手や調教師の場合、海外へ行くにはJRAへ渡航届けを提出し、許可されなければ遠征出来ません。

何故届け出が必要か?と言えば、海外で騎乗停止処分などをやらかして、消化せずに帰国した際、JRA内でペナルティを与える必要があるからです。

今回のドバイも、JRAが遠征の許可を出しています。

だから「JRAに責任がある」と考えることもできるのですが、馬主に関しては海外渡航届の提出は必要ありません

馬主として登録するのはJRAの審査がいるものの、競馬従事者では無く、あくまで一般人です。だから馬主は馬券が買えます。

つまり、今回のドバイ遠征の責任は馬主にあるので、JRA管轄外の出走の是非についてJRAや農林水産省が指導できる立場ではありません。

国会で問題視されないために

イラン問題が始まった時点で、ドバイワールドカップデーの馬券の販売は見合わされました。

金の亡者JRAが、利益率の高い海外競馬の馬券を販売しない理由は何故でしょうか。

 

まず、海外競馬の馬券を販売するのに、逐次農林水産大臣の許可が必要です。

でも、今回のドバイは馬券販売の申請すらしていません。

海外競馬の馬券の販売する場合、競走の公平性を確認するため、現地へJRAの職員が行くことになります。

また、海外馬券を販売するには日本馬の遠征が条件となるので、馬券の販売を認めてしまうと、農林水産大臣が日本馬の遠征を許可したのと同義となります。

だからおそらく、農林水産省からJRAへ内々にストップがかかっていたはずです。

国会で問題視されないために、農林水産省は先手を打って適切な対応を行っています。そのため、この件に関する国会での質問は的が外れており、答弁に不必要な時間を使ったというのが結論です。



この記事を書いた人
メタボ教授

Twitter(X):@metabopro

ブログやTwitterで全重賞の買い目を前日に公開して5年連続回収率プラスを達成。
でも後出し馬券師に勝てず埋もれてしまっているので、現在はyoutubeでまったり週1レースだけ予想の印を配信しています。

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