岩田康誠騎手の事件とばんえい競馬事件について

2021年5月14日

今回はこの2件について、簡潔に書きたいと思います。

youtubeで解説する予定でしたが、誤BANのため動画のUPを見合わせた形です。

ばんえい競馬の蹴り事件については、J-CASTニュースの記事が問題だと考えます。

以下ニュース記事の転載

北海道帯広市主催の「ばんえい競馬」で、デビュー前の馬の能力検査を行うレース中に、騎手が馬の顔を蹴っていた。その動画がツイッターに投稿され、騒ぎになっている。

市は、騎手を厳重注意したうえで処分を検討しているが、関係者からは、騎手への擁護の声が出ている。一体どういうことなのだろうか。

■「これはダメだろ」「虐待みたい」と非難も出たが…

トラブルがあったのは、2021年初めての検査で、4月18日昼過ぎに行われた第18レースだ。レースでは、7頭がそれぞれ重さ500キロ近いそりを引き、2つ障害の坂がある200メートルの直線コースに挑んだ。

前半は、ほぼ団子状態だったが、第2障害にかかる付近で明暗が分かれる。

3頭が上り坂で立ち往生し、うち2歳牝馬のドウナンヒメは、鈴木恵介騎手がムチで尻を叩くが、前脚の膝をついたため、顔を何度も地面で擦って苦しそう。

鈴木騎手がそりから降りて、左横から綱を1回引っ張った後だ。鈴木騎手は、いきなり左足でドウナンヒメの顔を蹴り上げた。

さらに、横から2回引っ張り、そりに戻るが、その後も降りて、また左足で顔を蹴り上げた。しばらくして、係員が来て、ドウナンヒメがレースに戻ることはなかった。この様子は、ばんえい十勝のユーチューブ公式チャンネルの動画で見ることができる。

ツイッターでは、20日になって、鈴木騎手が蹴りを入れていて驚いたとして、その動画シーンが投稿されて物議を醸し、1000件以上もリツイートされている。

「これはダメだろ」「虐待みたいに見えてしまう」などと非難の声は多く、鈴木騎手が過去に起こした不祥事までクローズアップされた。一方で、ばんえい関係者からは、騎手を擁護する声も出た。

ドウナンヒメは帯広競馬場内の厩舎で馬主から調教師指定を受けて一時預っており、この厩舎の厩務員をしている今井千尋さんは20日、ツイッターでこう指摘した。

「言うことを聞かなくてイライラしたと本人から聞いた」
「膝をついてしまって鼻にたくさん砂が入り込んで手網を引いて頭を起こそうにもまた鼻をついてしまって砂を吸い込むの繰り返しでやむを得ずの判断をしたのだと思ってます 起きることは出来たのですがその後また膝をついていその場で競走中止しました 厩舎までの帰路ずっと酷い咳をしていて鼻から沢山砂が出てきました その砂が肺に入ったり詰まって呼吸が出来なくなったりしなくて良かったです」

鈴木騎手の行為について、帯広市のばんえい振興課は4月21日、J-CASTニュースの取材にこう答えた。

「現場にいませんでしたので詳細は分かりませんが、騎手に事実確認したところ、馬が言うことを聞かなくてイライラして蹴ったと聞いています。ファンの方々の信用や信頼を失う行為だと認識しています。当日すぐに本人を呼んで、厳重注意しました。現在は、処分を検討しています」

同課には、21日昼過ぎ現在で、電話やメールで20件以上も意見が来ていて、多くは、「馬がかわいそうだ」といった批判だという。動物愛護団体からは、抗議は来ていないとした。

鈴木騎手が馬の鼻に入り込んだ砂に対処した可能性が関係者から指摘されていることについては、「本人に聞いたところ、そういう状況ではなかったと話していました」と説明した。

馬主も横にいてレースを観戦したというドウナンヒメの生産者男性は21日、その状況を取材にこう話した。

馬の生産者「地面で砂食う状態で、窒息しないよう蹴ったと思う」
「馬が地面に何度も顔を着けたので、我々の言う『砂食う』状態で、窒息するかしないかでした。馬は700キロぐらいするのもいますので、血流障害でしびれて前脚が立たなくなっていました。顔が埋まって、呼吸が荒くなり、人の力では動きませんので、顔を横に向けるために(騎手の左足で)打ったのだと思います。こうしたことは、昔はしょっちゅうありましたよ」

鈴木騎手がそういう状況ではなかったと話したと、帯広市側が言っていることについては、こんな見方をした。

「一流のジョッキーには、プライドがあり、言い訳は言わないと思います。そばで見ていた厩務員の言うことが正論だと思いますね。馬が憎たらしくて打ったとは思っていません。砂が入り込んでも違う方法で対処してほしいというのは、分からないでもないですが、市の人は、馬のことをよく知らないんでしょう。鈴木さんと打ち上げで飲んだときは、鈴木さんは、『力及ばず、申し訳ありません』と謝罪していましたが、馬主もその場にいて、『とっさの場合は、仕方がなかった』と意見が一致していました」

これって市役所の振興課ではなく、現場で能力試験をチェックしていた運営に取材すべきですよね。

記事として、不適切だと思いました。

しかし、実際はもっと深刻で、

完全なフェイクニュース

だったそうです。

出典:https://news.yahoo.co.jp/articles/b2e01c5fbed498c1e2e74efb663e42ee4f175b0b
◇獣医師記者・若原隆宏の「競馬は科学だ」

4月18日のばんえい競馬能検(帯広市)で、鈴木恵介騎手が馬の頭部をけったとして批判を浴びている。市ばんえい振興課は「いかなる理由であれ認められない」として、同騎手は戒告処分。騎乗自粛中だ。

ことはそう単純ではない。砂地に突っ込んだ馬の頭部を一刻も早く起こすための行動だった。鈴木騎手はソリを下りるまでに長手綱を散々引いている。砂地に鼻が突っ込むと、馬は非常に危険だ。口呼吸はできず、砂が肺に入るのを放置するのはむしろ虐待である。

動物への悪意なき行動が別の人には虐待に映るという現象は、深く複雑な問題をはらむ。家畜(産業動物)や、実験動物、漁で得る魚なども含め、人はさまざまな動物を「使って」生きている。彼らへの関わりのありようが虐待かどうかの線引きは時に難しい。

ばん馬がけられるのはファンには不快な光景だろう。だから不適切という見方も理解できる。一方で、例えば豪州の一部州は魚の生け作りを虐待だとして禁止している。捕鯨に対する価値観の文化間衝突も激しい。ルールは文化や時代で容易に変わる。境界領域では、しばしば直情論にひきずられ、本質を失う。だから産業動物らを巡る動物愛護を、愛玩動物と同じ視点で論じるのは厳に慎むべきだ。行き過ぎた直情論は、携わる職業人への差別の問題にも直結する。

この意味において、騒動を一報したJ―CASTニュースが、鈴木騎手のコメントを「イライラしてけった」としたのは、問題の持つ意味を大きくミスリードした。同騎手はこの種の発言を断じてしていない。

30日、鈴木騎手を電話で直撃した。騒動後、ほかに取材は一切受けていなかった。「ファンに不快な思いをさせた。本当に申し訳ない」。謝罪の言葉を重ねた同騎手も、言った覚えのない「イライラ~」というコメントには困惑していた。

ばんえい振興課によればJ社からの電話取材は21日午後3時半。記者が「イライラしてけったのか」と問うたのに対し「馬を起き上がらせようとして対処したもの」と答えたが、記者が発言したものを、あたかも鈴木騎手が話したかのように原稿化されたという。

同課ではJ社に抗議したが、受け入れられなかったという。鈴木騎手、ばんえい振興課の認識と、J社記事の隔たりについてJ社は7日、本紙の取材に文書で「ばんえい振興課への取材内容に基づき記事にしております。『イライラして蹴った』という記載につきましても、同課の担当者とのやり取りをもとに記事中に掲載しました。取材時点では、そのようなやり取りだったと認識しております」と回答した。

 

ちなみにJ-CASTニュースは未だに謝罪をしていません。

大半の人は「Yahoo ニュースで配信されるような記事は正しい」と勘違いしているので、こういったフェイクニュースによる悪質な被害というのは深刻です。

ばんえい競馬のは名誉毀損で訴訟すべきだと思います。

岩田康誠騎手と藤懸騎手の件

次にこの件ですが、世間の方々の意見と一緒で、息子が居る現場で、馬で幅寄せして恫喝するのはどうかと思いました。

自分だけの問題なら自己責任ですが、息子の立場も悪くなるような事をするのはありえないかと。

横典さんですら、息子がデビューして以降、ある程度真面目に乗るようになっています(・∀・)

 

ただこの件についても、出回っているニュース情報の信頼性が疑問です。

出典:https://news.yahoo.co.jp/articles/72911f53c8d3e89f1b79504256c429b88dbd99ad?page=2
G1通算25勝を誇るJRAトップジョッキー、岩田康誠騎手(47、栗東・フリー)が24日、レース中以外の「粗暴な行為、発言」により25日から5月8日まで開催4日間の騎乗停止処分を受けた。この前代未聞の事件が波紋を呼んでいる。岩田康騎手が過去に問題を起こしていることもあり、ネット上でのファンだけでなく競馬関係者からも「処分が甘い」との声が飛び交っている。果たして今回の処分は適切だったのか。

後輩騎手に「おんどりゃ!」と暴言
まるで社会問題となっている“あおり運転“を思わせるような理不尽で高圧的なパワハラ事件だ。24日の阪神競馬場での6Rの3歳1勝クラス(1800m、ダート)。そのスタート前に出走馬が本馬場に入場し、返し馬といわれるウォーミングアップに入る段階だった。なんとスウィープザボードに騎乗していた岩田康騎手が、テイエムマジックに騎乗していた藤懸貴志騎手(28)をにらみつけ、馬ごと幅寄せしてラチ沿いに追い詰めて威嚇し、その上で暴言を吐いたという。
ベテラン騎手が若手騎手を”脅す“とは言語道断の行為である。
結局、このレースは藤懸騎手が2着、岩田康騎手が5着だったが、常軌を逸した岩田康騎手の言動を目撃していた複数の騎手が、放置できない事態だと問題視。検量室に戻るとただちに裁決委員に通報した。JRA側が岩田康騎手を聴取したところ、粗暴な行為と発言があったという事実を認めたため、日本中央競馬会競馬施行規程(第147条の第20号)の「競馬の公正確保について業務上の注意義務を負う者としてふさわしくない非行のあった者」を適用し騎乗停止処分を科した。
その悪質さ、品のなさから即日発効の騎乗停止が適用され、期間は翌25日から5月8日まで14日間(開催4日)とした。岩田康騎手は25日に阪神で6鞍に騎乗する予定だったため関係者はその調整に追われた。
一方の藤懸騎手にとっては災難でしかない。昨年の4月には新型コロナに感染したJRA職員の濃厚接触者に指定されて騎乗できない期間もあった。
この事件の伏線は、この日の2Rの3歳未勝利(1400m、芝)のレースにあった。ルーキーの角田大和騎手が騎乗していたエムティースマイルが4コーナーで急に外側へ斜行。その際、シュンイに騎乗していた藤懸騎手が被害を受け、立ち上がるシーンがあった。その直後にいた岩田康騎乗のコートゴシップも連動する形であおりを受けたためレース後は両者ともに被害者として裁決室に呼ばれた。その際、それぞれが状況を説明したが、すでに冷静さを欠いていた岩田康騎手は「おんどりゃ、あんぐらいのことで(馬から)立つな。耐えろや」と藤懸騎手に対して暴言を吐いたという。
角田は3月にデビューしたばかりのルーキー。本来は2人して、未熟な騎乗に対し、厳しくも優しいアドバイスを送るのが理想の姿だろう。藤懸騎手をどう喝するのは自分より格下に対してのパワハラ行為としか思えない。競馬関係者によると裁決委員はそんな岩田康騎手に対し「筋違いでしょうと言って諭し、本人も納得したようにみえた」というが、岩田康騎手の身勝手な怒りは収まっていなかった。そこから2時間半もたった6Rで再び藤懸騎手と同じレースに騎乗した際、とんでもない言動に及んだのである。

岩田康騎手は1991年に兵庫競馬でデビュー。天才的なスタートセンスと迫力ある騎乗スタイルでメキメキと台頭し、2000年にリーディングに立つと、その後も第一人者として活躍。2004年には菊花賞をデルタブルースで優勝し、地方所属騎手として初めてJRAのG1を制覇。2006年にJRAに移籍するといきなり126勝。その後も”イン突きの名人”とも言われ、コンスタントに年間100勝以上の勝ち星を挙げ、2012年には、ディープブリランテで日本ダービーを、ロードカナロアで香港スプリントを制覇するなど、順風満帆な騎手人生を送った。
また岩田康騎手を知る関係者によると、移籍当初は地方競馬からの先駆者的存在だった安藤勝己騎手(現競馬評論家)を慕い、アドバイスしてもらうなど貪欲に勝利を目指したという。後輩に対しても親分肌な面もあったとも聞く。
しかしトップジョッキーの仲間入りをしてからは態度が変わり始め、報道陣と衝突したり、奇声を発しての騎乗、後輩騎手に対して、どう喝まがいの言葉、勝った後のオーバーで意味不明なガッツポーズをするようになるなど迷走した。息子の望来騎手が2019年にデビューしたことを喜び自身も刺激を受けているように見えたが、新型コロナ禍で移動が禁止されている育成牧場に乗りに行くなど、始末書を書くような不始末も起こしている。報道陣には一部を除いて取材拒否。藤懸騎手には以前から”いじめ行為”をしていたという話もある。
とにかく競馬界の評判は最悪で、関係者からは、「息子も騎手なのにもう少し大人にならないと」「いつかは、こんなことになるんじゃないかと思っていた」という声が多く聞かれた。
それにもかかわらず、今回の騎乗停止処分は開催4日間に留まった。ファンや関係者の間からは「甘すぎる」の声が殺到。「過去に何度も始末書を書いている騎手がたった4日でいいのか」、「免許剥奪でもおかしくないのでは?」、「厩舎や馬主が騎乗依頼するからダメなんだ」などの批判でネットは炎上騒ぎになった。
JRAでは、2005年以降、走行妨害などを起こした騎手への処分は、基本4日間となっているが、今回のような事件に対しての処分の線引きは決まっていない。故意的に騎手を落とした場合や騎手のドーピング行為、重大な不祥事(触法行為など)などがあった場合は長期もしくは無期限の騎乗停止、最悪の場合は騎手免許が取り消されることもある。過去の粗暴事件としては、1999年に後藤浩輝騎手(故人)が騎手寮内で後輩騎手の吉田豊を木刀で暴行する事件を起こして4か月の騎乗停止処分が下された。また問題の種類は違うが2013年には調整ルームで携帯電話を使用してツイッターに複数回返信した原田敬伍騎手が30日の騎乗停止の処分。2017年にはスピード違反を起こした松田大作騎手が半年間の騎乗停止処分を受けるなどしている。
JRAとしては公正確保や暴力追放に力を入れているが、最近では、大塚海渡騎手への調教師によるパワハラ被害も明るみに出たばかり。処分が甘ければ、問題再発の土壌にもなりかねない。そう考えると今回の岩田康騎手への開催4日間という騎乗停止処分は、適切ではなかったのかもしれない。JRAは、新型コロナの助成金の不正受給問題でも関係した調教師、騎手の名前の公表を控えるなど、どこか身内への対応が甘くも映る。ロマンとお金をかけている競馬ファンの信頼を失わないことが重要なのだが…。

ちなみにこの記事は「Yahoo!ニュースの独自制作、コンテンツパートナーとの共同企画のコンテンツをお届け」と謳ってます。

しかし、著者の記名無し、「競馬関係者」が誰か?というのもナシの記事なんて、ニュース記事として論外です(ちゃんとしたメディアなら明記しています)。

信頼性はJ-Castニュースよりも怪しいと思います。

こういう記事は話半分にして捉えるべきです。

それに関連して、藤田伸二騎手もこの件に関して色々暴露していましたが、

彼は岩田康誠騎手を敵対視していますし、こちらも話半分として捉えた方がいいでしょう。

実際、細江純子さんは一連の報道の一部を否定しています。

 また岩田騎手は、確かに幅寄せはしたようですが、一部報道ででているような直接馬に危害を加えることはしていないとのことで、藤懸騎手も人馬共に無事と。

 もちろん藤懸騎手と騎乗馬に対して恐怖を与えるような行為をしたのは事実であり、ダメなことではありますが、報道の全てが正しいわけではなく、一方的に周囲から多くの批判を浴びている岩田騎手の心境を思うと、それまた胸が痛いのです。

 しかも騎乗停止となった日曜日の早朝も調教へと向かっており、昔から仕事に対しては人一倍手を抜かない方。
https://news.netkeiba.com/?pid=column_view&cid=48795

 

そういった部分で、JRAと繋がりが深く、トレセン施設にも出入りしている各種スポーツ新聞の方がまだマシだという事です(フェイクニュースを発信しようものなら出入りが出来なくなるので)。

持続化給付金問題を始め、競馬会の不祥事というのは、競馬を知らないメディアも取り上げますが、今の日本のニュースサイトは架空の記者が適当に記事を書いているモノばかりです。

今回の一連の騒動でSNSなどの反応を見る限り、この部分がわかってない人が多く見かけました。

ばんえいにしろ地方 宣伝宣伝にしろJRAにしろフェイクニュース対策に本腰を入れた方がいいです。

競馬予想においても情報の処理というのは非常に重要となります。
僕の新しい本にはそういった話もしていますので、まだ読んでない人は是非ご一読下さい(・∀・)宣伝宣伝